自動運転技術を学ぼう!自動車先進国ドイツの最新テクノロジー

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2016年現在の自動運転事情

すでに実用化されている技術

メルセデス・ベンツの高機能ACC “DISTRONIC PLUS” の作動画面http://www.benzinsider.com

自動車の自動運転化に対して、各国政府関係機関は、ACCの延長機能として、前走車が停車したときの自車の完全な停車、前走車が発進したときのアクセルペダルを利用しない再発進などを認めるようになりました。

また、ハンドルから長時間手を離すことは認められていないものの、事実上の自動的な操舵システムや、車線変更機能などが搭載されたモデルも随時追加されています。

これらの技術は各自動車メーカーが「部分的な自動運転」として、2010年ごろを境に価格帯を問わず、積極的な導入がはじまりました。

高度な自動運転の実用化目標は2020年

ハイウェイで自動運転を行うテスラ モデルShttps://en.wikipedia.org

技術的な進化が進む一方で、自動運転については法整備が間に合っていないという側面があります。アメリカのテスラなどのように、より高度な自動運転が可能ながらも、現状に即して意図的に機能を落とし、実情に合わせているというケースもあります。

そこで現在、各メーカーとサプライヤーは積極的な実証実験を行い、おおむね2020年を目標に掲げ、自動運転車の実用化を標榜させています。より練度を上げながら、各国行政とも連携を取り、手を離してでも自動車が走るような自動運転の実現に向けて調整が進められています。EUでは「HAVEit」という資金供出プロジェクトも実施されました。

自動運転の達成目標と基準

ひとくちに自動運転の実用化といっても、どこまでの自動運転を達成するのかは、各社それぞれ考え方が異なります。自動運転の達成目標は、世界各国の各政府系機関や自動車産業関連団体、非営利団体などが、達成目標の基準をそれぞれ策定しています。

中でも、アメリカの自動車技術者協会(SAEインターナショナル)が提唱している達成目標の基準は主流となりつつあります。これはレベル0からレベル5までの6段階評価のレベル案となっています。

  • レベル0:ドライバーに全ての運転操作が委ねられる、従来型の自動車
  • レベル1:特定の状況下で単一のシステムが加減速または操舵のいずれかを代行
  • レベル2:特定の状況下で単一もしくは複数のシステムが、加減速と操舵の両方の操作を代行
  • レベル3:特定の状況下でシステムが完全な自動運転を行う、自動運転が機能しない状況になった場合、ドライバーに運転を交代
  • レベル4:特定の状況下でシステムが完全な自動運転を行う、自動運転が機能しない状況になった場合、ドライバーに運転を交代するが、ドライバーが対応できなかった場合に停車などで安全を確保
  • レベル5:あらゆる状況下で自動運転が行われ、ドライバーが不要となる

2016年現在、レベル1についてはACCにて実用化されています。レベル2以降については、技術的に可能ながら、法規などの問題からドライバーが完全に操舵をシステムに委ねることはできず、前述のようにあくまで補助レベルに留まっている状況です。2020年までには、レベル2やレベル3が法的にも許容されることが望まれています。

一方、レベル4以降は、運転の責任を自動運転の制御システムが負うべきなのかなど、倫理的な問題が発生します。自動車に関連した法律を大きく変更し、整備し直す必要があります。しかし技術的には、レベル3とレベル4は近いため、世界中の各サプライヤー/メーカーは、基本的にレベル4以上を自動運転の達成目標としています。また公道ではなく駐車場内など、法的な問題が発生しづらい状況で、ドライバー不在での運転が可能な自動車の市販は開始されています。

国家レベルで高度自動運転へ積極的に取り組むドイツ

自動運転に対する法的緩和に積極的な独メルケル首相https://en.wikipedia.org

SAEインターナショナルでレベル5相当の自動運転は、自動車単独ではなく、交通インフラ側での対応や、より強力な法整備が望ましいと考えられます。そのため非常にハードルは高くなりますが、資本力や政治力の大きなチームは、レベル5を目標に据えています。

レベル5の達成は、自動車の歴史においてひとつの革命となり、またライバルメーカに対しての圧倒的な優位性となります。またここに、国際規格の樹立ででイニシアチブを握りたい国レベルの思惑も絡んでくるので、やや複雑な問題となっています。

近年特に動きを活発させているのは、ドイツ政府です。当初は民間の取り組みが主体だったドイツですが、2015年には政府が主体となってアウトバーンでの実証実験を開始、2016年には4月に関連法案を通し、7月には航空機のような万一の事故の際に詳細を記録する、ブラックボックスの搭載義務についての検討をはじめました。ブラックボックスの搭載は、レベル4〜5の自動運転を認めるための布石だと考えられます。

加えて、ISOでの自動運転の正式な策定化に向かって2015年、ドイツ自動車工業会(VDA)は、SAEインターナショナルのレベル案に対抗する内容を提案しました。どちらの基準が採用されるかは、サプライヤーやメーカーにとって大きな影響を与えるため、これは多少の混乱を招くことになりました。VDAはメーカーが共同で作る民間団体ですが、これもまた、自動運転で国際的主導権を握りたいという官民一体の思惑が透けています。

諸外国の事例はどうでしょうか。一例として日本の場合、国家レベルでは、ドイツほど積極的な取り組みは行われていません。主にトヨタが、官民一体となり、主要交差点で他車と情報を共有するインフラの開発などを行っていますが、ISO策定での混乱などについては、静観する姿勢を見せています。

参考URL:ISO策定に関するVDA/SAEの動きについての、自動車技術会会員の見解

>>次ページ
ドイツ自動車メーカー/サプライヤーの自動運転最新取り組み状況

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この記事へのコメント 18

  • リリオ のプロフィール写真 リリオ より:

    最近話題の自動運転技術は昔から研究されていたとは知りませんでした。実用化にはまだ数多くのハードルがありますがそのうち昔想像していた未来の車が道路を走ると思うとワクワクします!

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  • kimura12548 のプロフィール写真 kimura12548 より:

    自動運転研究の歴史について。大変、興味深く読ませて頂けました。
    ちなみに、自動運転自動車はAuto ohne Fahrer
    http://www.dw.com/de/auto-ohne-fahrer/a-18727866
    法整備の観点では、事故を起こしたときの責任の所在が難しそうですね。

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  • kisetu-ju のプロフィール写真 kisetu-ju より:

    さすがドイツといえばベンツと言われるほど自動車産業が発展していると思いますACCすばらしい開発だと本当に思います。現在でも一部自動運転になっています。ドイツは早いうちから取り組んでおりベンツのCMをみるとうっとりすることがあります。
    自動にすることで非常に便利になりますが、人としてすべき判断が鈍るようになると思います。「おさきに」「どうも」などということもなくなるのでしょう。人に対して、車より弱いものに対する対応はコンピュータでは止められないことがあるでしょう。
    すべてを自動化するのではなく、突発で対応しなくてはならないことは今まで通りが良いと思います。

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  • Sine のプロフィール写真 Sine より:

    高度自動運転の技術が確立されて、ドライバーが不要となると、今まで車関係の仕事、たとえばタクシー運転手、ものを配送する人、バス運転手、自動車教習所で働く人の職を奪ってしまわないだろうか?
    なんでも機械に頼るというのは、あまり勧められない。機械は故障する必要はあるしそれを修理するのは人間だから。また、自動車の場合、急な出来事たとえば、人の飛び出しなどのような急な事態に臨機応変に対応できるかどうかが疑問。所詮、機械は機械、人間が機械を操るのであって、機械によって人間が支配されてはいけない。

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  • Zenn のプロフィール写真 Zenn より:

    自動運転は2020年が一つの目標らしいです。ということは東京オリンピックで、マラソンの先導車あたりから実現するのでしょうか。ドイツはもうISOの策定に動いている(さすがに自動車王国)のですね。日本では個人的に、ステレオカメラのスバルを応援したいです。

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  • まいける のプロフィール写真 まいける より:

    アウトバーン走行を自動運転にするというのはよいでしょう。高速道路は比較的自動運転に向いているし、運転者の誤操作が大きな事故に結びつくので、事故防止には効果がありそうです。

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  • 創聖 中川 のプロフィール写真 創聖 より:

    高度自動運転が速く実行されてほしいなあと思います。そしたら交通事故も減ったり免許もいらなくなるでしょうから。
    車関係の仕事がなくなるといっている人もいますが、実際それは仕方のないことですし将来、仕事の約半分がなくなるといわれていますから。
    別に車関係の人達だけが仕事がなくなるというわかではないです。

    4
  • UP3B1ZiDfPVDCsa のプロフィール写真 UP3B1ZiDfPVDCsa より:

    自動運転技術に関しては、車校の人も言ってたけど人を殺めてしまった場合に誰が責任をとるかってとこにも問題があってなかなか難しいらしいけど、上手くいけば事故が今よりも格段に減るものだと思う。

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  • jpeg2016 のプロフィール写真 jpeg2016 より:

    事故が減り、環境負荷が減ってくれると良いですね。人間が介在するとどうしても事故が起きてしまうのでしょう。

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  • 直人 東條 のプロフィール写真 直人 より:

    車の自動運転について考えてみましたが、自動運転は採用するべきではないと思います。車の運転に実力がなく、自動運転に依存しても、事故は避けられないんじゃないのかと思ったからです。たとえば、人をひいたり、車とぶつかったりという事故が起こっていく中、自動運転でも前に車や人がいたら簡単に止まるとは思えません。

    2
  • こういち のプロフィール写真 こういち より:

    ドイツの自動車産業はワーゲンの不正があったとはいえ、世界をリードするものでしょう。
    自動運転は交通事故を減らすという社会的にも意義が大きいことだと思います。
    日米ともども競い合ってより安全な自動運転技術を構築してほしいものです。

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  • きょんちー のプロフィール写真 きょんちー より:

    さすがドイツです。いつか何もしなくていい日が来るのを心待ちにしています。

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  • あおい のプロフィール写真 あおい より:

    ドイツは先進国ですね。人々の安全を考えて自動運転の世界に切り替わることはまさに神です。

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  • 仮面サラリーマン のプロフィール写真 仮面サラリーマン より:

    コンチネンタルというメーカーはタイヤメーカーから自動運転技術で世界有数のメーカーに生まれ変わって世界のトップを走ってます。日本はZMPが上場延期なったりして大丈夫でしようか。

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  • yusuke のプロフィール写真 yusuke より:

    夢のある技術ですね~

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  • hirokin888 のプロフィール写真 hirokin888 より:

    アメリカのTVドラマ「ナイトライダー」が現実のものに。自動運転技術開発はドイツメーカーに頑張って欲しいものである。話は変わって、自動車外装に関して、一体型のクリアレンズ、クリアカバーは欧州発だと聞いたが、情けない話である。太陽光の差し込み角度によって、対向車や歩行者から非常に見えにくい場合がある。デザインより安全性を重視するべきと思う。欧州の一部の学者による研究もある。方向指示器用黄色カバーやその独立カバーを採用したからといって、どんな不都合があるのか?車づくりの基本に立ち返って貰いたいものである。

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  • かすたーど のプロフィール写真 かすたーど より:

    自動運転技術はどんどん進歩していますね。それをいかに安全に利用していけるかがポイントだと思います。

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  • iudex のプロフィール写真 iudex より:

    前の車との距離を計って速度を調整。。。これは是非日中の高速道路で使わしてもらいたい!!
    どうしても日中の高速道路は睡魔に脅かされる。。。 
    そういえば、レンタカーした時に、休憩しなさいって車が教えてくれた!!あれはどこのメーカーやったやろ。。。

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Kotaro Harakawa のプロフィール写真
writer, medical doctor, JAPAN MENSA member


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