ドイツ銀行の歴史と今後の課題を検証してみた

ドイツ銀行
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140年以上の歴史を有するドイツ銀行

ドイツ銀行は1870年にベルリンで創業しました。統一ドイツの資本を海外にどんどん進出させることを目的としました。アジアにも早い段階から進出していて、1872年には横浜と上海に海外支店を作っています。

ちなみにこれが最初の海外支店です。翌年にはロンドンにも支店を開設しています。1876年にはベルリーナバンク・フェアアインとドイチュ・ウニオン・バンクと合併することで、当時最大手だったディスコンと・ゲゼルシャフトを抜いてドイツ最大の金融機関に躍り出ます。

また当初の目的だった海外への出資にも積極的で、アメリカのノーザン・パシフィック鉄道やオスマン帝国のバグダード鉄道などに資金をねん出しています。鉄鋼や兵器を主に取り扱っていたクルップや化学メーカーのバイエルのベルリンマーケット上場のバックアップをするなど、ドイツ国内でもその影響力を高めていきました。

ナチ党がドイツで躍進すると、そのかかわりを強めていきます。ナチ党はユダヤ人の地位をはく奪するなどの迫害を行いましたが、当時3人いたユダヤ系の役員の追放を行っています。その他にもゲシュタポに銀行施設を提供するとか、ドイツ政府やナチ党に対して積極的な融資を行っています。

しかし第二次世界大戦でドイツの敗戦が決定的になり、ナチ党が壊滅状態に陥ると1948年には連合国司令部の指令によって銀行は分離解体されてしまいます。当時10の金融機関に分離されたのですが、1957年にはすべての統合が完了し、当時西ドイツのフランクフルトを本店にして再スタートを切ります。

これまで商業銀行として活動してきましたが、1995年からは投資銀行にモデルチェンジを開始しました。2005年には全体の収入の3/4を投資銀行部門が賄うようになりました。ちなみにかつてナチ党に対して積極的に資金援助を行っていた件についてですが、1999年に公式に認め謝罪を行いました。

そして同じくナチ党に援助をしていた大手ドイツ企業と一緒に、ホロコースト生存者に対して52億ドルの補償を行っています。ドイツ銀行は創業から2年後には、横浜に支店を出すなど、日本とは古くからのつながりがあります。

この最初の進出に関しては、3年後には事業不振のため撤退してしまいました。しかしその後再度日本進出を果たしていて、ドイツ銀行の他にも傘下のドイツ証券やドイチェアセットマネジメント、DB信託という4部門が日本法人で金融活動を行っています。

日本国内におけるドイツ銀行ですが、調査業務や債券などの事業に関してはそれなりの影響力を有しています。しかし主力の投資銀行部門に関しては、他の投資銀行と比較すると若干劣性との評価も見られます。

ドイツのトップクラスの金融機関

長らくドイツ三大銀行という風に、ドイツ国内ではトップスリーの大手金融機関がありました。この三大銀行は、コメルツ銀行とドレスナー銀行、そしてドイツ銀行でした。しかし2009年にドレスナー銀行がコメルツ銀行を吸収したことで、事実上ドイツ国内のツートップの一角と言って良いでしょう。

ドイツ銀行グループを形成していますが、その中核企業だけでも実に7万8000人もの従業員を抱えています。これはドイツ国内だけでなく、世界でも有数の金融機関と言って良いです。企業の買収も積極的に実施しています。2009年にはドイツポストというドイツを代表する郵便や物流の事業を行っている株式会社の事実上の買収を行っています。

ドイツポストそのものも、民間文房具店のMcPaperや国際宅配便会社のDHLなどを買収や子会社化しています。ドイツ国内の企業にとどまらず、アメリカやオランダ、イタリアの企業の買収も行っていました。ポストバンクを買収することで、ドイツ銀行のグループネットワークはさらに大規模なものとなっていきます。

このような経済活動を中心に展開しているドイツ銀行ですが、近年は芸術支援や社会奉仕活動といったものも積極的に実施しています。1979年ごろからこのような動きが活発になっていて、現代美術の有名作品を購入しているといいます。

そしてドイツ銀行の各オフィスに作品を置くことで、社員に芸術と触れられる機会を創り出すような努力も実施しています。現在ドイツ銀行の所有しているコレクションですが、5万点以上に上るとみられています。

2015年第二四半期の業績によると、グループ全体の純利益は92億ユーロに達しました。これは前年の同時期と比較すると17%増加の数字といいます。税引き前利益に関しては12億ユーロで、前年同時期の9億1700万ユーロと比較して3億弱の増加になりました。共同CEOのジョン・クライアンはこの業績に関して、ドイツ銀行の持っている基本的なビジネス面での強みを反映していると評価しています。

また従業員の能力や業務に対する真摯な姿勢も、このような着実な収益の伸びにつながっていると評価しています。その一方で、利息以外の費用が78億ユーロもあり、これは前年同時期と比較して、同じく17%も増加しています。

コスト水準が上がったのに加え、訴訟費用のようなイレギュラーの継続的な費用が重しになっていると分析しています。このコストを以下により効率的にして、利益をアップさせることができるかが今後のドイツ銀行のかかる課題であると評価しています。

すでにドイツ銀行では、ストラテジー2020という利益効率化のための戦略を策定しています。この計画に基づきより効率性を高めていかないといけないと表明しています。マッコリ―グループや野村ホールディングスのアナリストたちがドイツ銀行を分析したところ、人員削減と事業縮小が必要であると判断しているようです。リターンを向上させるためには、経費を最大で20億ユーロ減らす必要があると提言しています。

そのためには、債券トレーディング事業の縮小をすることは大切であると指摘しています。投資銀行に力を入れているものの、商業銀行として個人向けの金融機関としての機能もまだ持ち合わせています。しかしこの両立を続けるのは厳しく、どちらかに舵を切らないといけないのではないかという専門家の声も聞かれます。

この記事へのコメント 1

  • Zenn のプロフィール写真 Zenn より:

    ドイツ銀行の危機説がありますが、「大きすぎるからつぶせない」という、どこかの国の判断と同じになるのではないでしょうか。「有名美術品を購入している」というくだりでは、映画「ミケランジェロ・プロジェクト」を思い浮かべてしまいました。

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