東西格差の実態!ドイツは未だに分断状態
いまもなお残る東西ドイツの経済格差
いまでも大きなちがいがある旧西ドイツ地区と旧東ドイツ地区。特に経済力は大きな格差がありました。東ドイツ時の経済システムは、計画経済。工場解体が進み、ほぼすべてが国営に。資源が乏しい土地柄もあり、東ドイツの経済力は西ドイツに大きく遅れをとっていました。西ドイツでは1950年に脱した食料品の配給システムも、東ドイツでは1958年まで採用されていたことでもわかります。
その爪あとは、現代の統一国家ドイツでも、経済格差としても現れています。
まず目立っている差が、収入です。これについては、ドイツ国内でも長年の悩みの種として議論されていました。わかりやすい表を紹介します。

オレンジが西ドイツ、黄色が東ドイツです。平均値が黒線であらわされています。ぱっと見ただけで、「西ドイツが高給取り、東ドイツの給与水準が低い」ということがわかりますよね。これでは、ドイツ国内に住む人間の感情にも影響します。東ドイツ復興のために西ドイツが多大な支援をしたこともあり、東ドイツ側が西ドイツをうらやみ、西側が東側を足手まといだと思っている風潮があります。
失業率も、東西ドイツで大きな差があります。2016年4月、最新の州別失業率ですが、グレーの部分が3つありますよね。1番上の5,7%が西ドイツの平均、2番目の6,3%がドイツ全体の平均、3番目の8,8%が東ドイツの平均です。失業率が1番低いのがバイエルンの3,6%、1番高いのがブレーメンの10,8%です。

貧困率を見てみましょう。赤が東ドイツ、グレーが平均、緑が西ドイツです。ここでも東ドイツ側が不利な数値となっています。収入が低いので当然と言えるかもしれませんが、いまだに東西の隔たりが大きいことがわかります。

まとめれば、西ドイツは収入が多く、失業率が低く、貧困が少ない。東ドイツは収入が少なく、失業率が高く、貧困が多い。かんたんに言ってしまえば、西ドイツの水準が高く、東ドイツの水準が低いのです。
東西格差はいつまで続く?
1990年の統合から、はや26年が経ちました。EUをひっぱっている大国ドイツは、統一してから26年の歴史しかないんです。わたしと同い年くらいです。強い国、優秀な国、というイメージのドイツですが、実際のところ、東西に分断されていたという負の歴史を、いまだに乗り越えられていません。
東西格差をなくすにはどうすればいいか。いままで多くの政治家が話し合ってきました。東側の人がどんどん西へ移動してしまっている現状のなかで、打開策を模索してきました。ですがそれでも、「これ!」といった解さ方法は見つかっていません。ですがそれは仕方のないことなのです。
東西が独立国家として成立していたのは、50年ほどの年月です。一方、統一してからの歴史はまだ26年。50年の歴史を26年で全部正す、なんていうのはむずかしいのは当然です。
ですが、ドイツがこの現状を放置しておけるわけがありません。東ドイツの発展は、ドイツ全体の発展であり、成熟している西ドイツよりも多くの可能性を秘めている、と言えるでしょう。東ドイツの発展は、ドイツの繁栄への大切なキーワードです。
資本主義と共産主義の名残があるのは当然です。ですが、統一国家としてのドイツにとって、東西の格差克服は、これからの発展に必要不可欠です。これからの東ドイツの復興に注目していきたいですね。
1 2
日本だって、地方と都市部で同様な傾向が出ています。ドイツの場合には統合時に旧東ドイツが低所得地域であったためにどうしても旧西ドイツに経済が偏っていくという傾向になってしまいます。しかし、今後例えば日本でコールセンターが沖縄に設置されているようにコストの安い地域に労働集約型の企業が立地するなどという形で徐々に是正が進む可能性もあります。一方で日本や韓国、中国のように都市集中と言う形で二極化がさらに進んでしまう可能性もあります。この状態を東西格差で片付けるのは少し偏った見方ではないでしょうか。
とても興味深い統計です。20年以上経ってもまだ東西の差は埋まっていないのですね。
とはいえ、最近西ドイツから東ドイツからへの人口純増数がプラスになったというニュースも見たので、今後の東ドイツの発展に注目ですね!
まいけるさんのコメントの通りだと思います。
日本の地方と都市部の格差は本当に大きいと、地方に住む私は感じています。
ドイツ国家がどのように格差問題を解決するか、はたまた解決できないのかは、大変興味深いところです。
そういえば、ベルリンの壁は東ドイツ側の方の間違った発表がきっかけでうっかり崩壊したんでしたっけね。(^。^;)トリビア…
画像の信号機、アンペルマンは東ドイツの産物ですね。
最近では、東ドイツのノスタルジックな感情?を抱き、懐古するようなムーブメントもあるようです。
首都ベルリンでは、近年家賃の上昇などにより、比較的値段の安い東ドイツに移住する人が年々多くなっており、西ドイツに移住する人数を上回ったというニュースを先日みました。ドイツ全体ではまだ東西で格差がありますが、その最前線とも言えたベルリンの状況は変わってきてるようなので面白いですよ!
西ドイツが東ドイツを吸収した統一国家というのに驚きました。そして
その格差が未だに埋まらないとは。。今後の具体的な打開策等に注目してこれからも
ドイツのニュースを見たいと思います!
東と西が統一されてドイツ経済は好調だったので東のほうでも経済は潤っていたのかなあと思っていましたけど東と西で格差があるとは思っていませんでした。しかしドイツ統一で国がうまく回っていることでもすごいと思います。北朝鮮と韓国が今更統一されてもうまくいかないでしょうし
日本でいうところの地方と都心部みたいですね。完璧に統合していくというのはどうしても家庭ごとの経済状況などによって難しいのではと思います。
裕福な人はなるべく周りも裕福でトラブルのない地域住みたがりますし。
やはり、骨折みたいに。一度折れたものは治ったように見えても、しばしば痛みとかが出やすいのでしょうか。完治してほしいですね。
大学生の頃東西ドイツの分裂から統合に至るまでを少し勉強しましたが、今でも東西でこんなにも違いがあるとは思いませんでした。
これらの格差について、ドイツの政府はどう考えているのかが気になります。
日本の地域でも部落であったり暴力団であったり、地位や格差で人を差別したり毛嫌いするので、東西ドイツどころか東は東の中、西は西の中でも対立はあると感じますよ。そもそも日本のなかでもあいりん地区の人間と世田谷区の豪邸にすむ人間が融和出来ますかね、住み分けはどこにでも存在するかと思われます。
街や道路の整備は進んでいるので、見た目には格差はわからない。でもとにかく仕事がない。仕事を求めて西側へ行ってしまう。
雇用創出が一番の鍵になっていることはわかるけど、ほんとに難しいみたいですね。
考えてみたら日本の過疎地域も同じ問題を抱えてますよね。
ベルリンにいて、西ドイツであった地方からの出身の人は確かになんか分かる様になりました。まだまだ格差が残っているんですね。
当時私はまだ幼かったのですがニュースで見たベルリンの壁崩壊のシーンはインパクトがあったので不思議と覚えていました。何の事かよくわからずテレビを見ていましたが今になって実態を知り複雑な思いです。
東と西がこのまま悪化すると、ドイツは内戦続きになると思います。
ドイツは、第二次大戦で敗戦後、一からやり直して今の欧州での地位を築き上げた、日本が学ぶべきことの多い国だという印象を持っていました。そんなドイツでも第二次大戦の名残である西ドイツ・東ドイツの問題を抱えているのですね。
ベルリンの壁を壊すシーンをテレビで目にしました。統一されることがとても大きな事件であり、当時はとても新鮮でありこれからとてもよい関係が持てるであろうと思いました。時間をかけていけば、いいとこどりでとてもいい国になっていくと信じています。
興味深い統計です。東西の格差がこんなに違うことに驚きました。
日本の「都市部」と「地方」とも似ていると思います。
今後、ドイツ政府が格差解消のために、どの解決策を考えるか興味深いです。
崩壊は89年だから、もう解消されていたと思っていましたが、まだまだなんですね。少しびっくりです。27年ほと経過してもダメですか。。
地域格差があるのはどこも同じ。
日本だって結局は首都圏だけ。
日本でいう都心と地方との違いがありますね。