州はホントは国だった!?ドイツはなぜ連邦国家なのか?
州はどのように機能してるの?
ただの地域区分のように思える州ですが、ちゃんとした役割、機能があるのです。それは、「水平的」「垂直的」権力分散、という言葉に表されます。
水平的権力分散、というのは、三権分立といわれるように、司法立法行政が横の関係で結ばれていること。上下関係はなく、お互いが監視しあうシステムで、民主主義の基本ですね。
垂直的権力分散、というのは、州レベル、国家レベルの担当を分けること。これが州と国の関係です。ですがあくまで上にあるのは国で、州はその下に位置づけられますから、垂直的な権力分散となります。
ではその垂直的な権力分散をすることで、どうなるんでしょうか。
民主主義というのは、国民が主権を持っているということです。ですが国民全員を政治家にするわけにはいかないので、多くの国が代表制を取っています。国民が議員を選び、議員がリーダーを決めるやり方です。ですがドイツでは、州レベルの選挙と、国レベルの選挙があります。
州選挙と国の選挙の関係性は、このようになっています。

ドイツでは、国民は連邦議会の議員と、州議会の議員を選びます。わたしはヘッセン州に住んでいるので、「ドイツ連邦議会議員」の選挙と、「ヘッセン州州議員」の選挙が行われることになります。つまり、国家レベル、そして州レベルの両方で「国民から認められている」というわけです。州と国の担当をわけることによって、権力集中も防げます。
より民主的であり、権力が集中しないためには、ドイツは州を必要としているのです。
連邦国家ドイツの制度はおもしろい!
多くの国は、権力の暴走に対抗する手段を持っています。その手段のひとつとして、州は存在しているのです。州にも大きな決定権があり、国民は州と国、両方の選挙でで自分の意思をあらわすことができます。
そして考え方もやり方もちがう州をまとめた結果、州によってちがった特徴を持つようになりました。。大学の学費に関しては州の担当ですが、学費がある州とない州があります。また、その上限もちがいます。たとえばデュッセルドルフを州都とするノルトライン=ヴェストファーレン州では屋内の喫煙が禁止されていて、バーなどでも喫煙禁止となりました。ですがヘッセン州では、クラブやバーでは喫煙が認められています。
ほかにもさまざまな違いがあり、産業に強い州、観光に強い州、国民の権利が大きく認められている州、ある程度におさえてある州……などいろいろとあります。これは日本でも同じですね。ですが地方が独立していた歴史をもつドイツの方が、特色が色濃くでています。
日本に都道府県があるから、ドイツの州にもあまり疑問を抱いたことがないかもしれません。ですが歴史や政治システムをみると、ドイツにとって州制度はなくてはならないものなんですね。
ドイツに住んでいるので政治もちょっとは勉強しなきゃと思うこの頃。。
ドイツが連邦共和国と呼ばれる背景がなんとなくわかった気がします。
水平的権力分散と垂直的権力分散という言葉、初めて知りました!
アメリカの州とも同じようで少し違う?
日本人の我々には少し難しい感覚ですね。
東西格差がなかなか埋まらないのも、各州が力を持ってるが故なのかもしれませんね。
「ドイツ連邦共和国」なんですね(勉強になります)。日本も道州制にすれば面白いと思いますが、逆方向からもっていくのは難しいのかも。
日本の48都道府県も島国でとても多くに分かれすぎていると思います。
州については市民の反対というのはわかりますが、政治などでベルリンだけが別というのもやりにくいことがあるのではないかと思います。
しかし、過去を振り返るとこうなってしまうのは仕方ないのかと思ったりしますね。
日本の廃藩置県の前は、大名による封建国家でしたが、それに近いことが現在にまで残っているのだと思います。