長きにわたり経済苦境に苦しんだドイツ。財政黒字達成に至った道のりとは?

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ドイツが約半世紀ぶりに財政黒字を達成

先ごろ、ドイツが2015年度の決算において、実に46年ぶりに財政黒字を達成する見込みであることがアナウンスされ、国際的に大きな話題となった。戦後の急速な経済発展の代償として、高い国債依存度のもとに国家戦略を打ち立ててきたドイツは、敗戦国であり800兆円を超える国債残高を抱える日本と立場的に近接していると長らく思われていた。そんなドイツの「財政黒字達成見込み」というニュースは、日本でも大きな驚きと共にその手法に注目が集まった。

高福祉国家であり社会保障費の増大も常々問題視されていたドイツ。歳出が大きいために極端な緊縮財政を行うことが不可能なこの国は、一体どのようにして財政の健全化を行ったのだろうか。

シュレーダー政権下での着実な政策が実を結ぶ

今回の財政黒字達成は、1998年から2005年までのシュレーダー政権下における着実な政策によるところが大きい。シュレーダー政権は、減税を中心とした景気の刺激策を行い、消費の拡大と企業の収益性の確保を実現させて雇用の増大を達成した。

特に、所得税と法人税の大幅減税を断行したことは、現在の財政健全化に大きな役割を果たしたと言える。所得税を5~8%減税し、法人税を20%以上引き下げ、企業のキャピタルゲイン課税を撤廃する。この3つの勇気ある政策は、結果的に滞っていたドイツの景気を刺激し、企業は業績を伸ばして雇用を増設、消費者は消費の拡大を行うなど、良いスパイラルが続くこととなった。

これらの政策はメルケル政権に変わってもなお続けられ、ドイツのGDPは飛躍的に成長を続けた。2009年のリーマンショックによって一旦伸びが頓挫してしまったものの、欧州他国よりもいち早くそのショックから経済を立て直すことに成功し、今回の「財政黒字達成見込み」へと繋げることが出来たのである。

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平坦な道のりではなかった財政黒字達成

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文蔵 一郎 のプロフィール写真
1989年北海道生まれ。北海学園大学法学部卒業後、官公庁に入庁し2年ほど実務を経験する。在職中に一念発起しフリーライターとして独立することを決意。退職後「元公務員ライター」として2016年から独立。大学時代から国際政治を専攻しており、幅広い見地と視野から国内外の政治経済の動向を見定められるよう奮闘している。


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