メルセデス・ベンツの歴史 – 最高の車を追及する思想とは?
数多くの自動車関連取得を取得したベンツとダイムラー
メルセデス・ベンツは1926年に、当時のヨーロッパでも特に先進的だったベンツ社とダイムラー社が合併して発足した自動車外車であるダイムラー・ベンツ社が、以来今日まで一貫して展開している自動車ブランドです。
メルセデス・ベンツの歴史を追う上で、ベンツ社とダイムラー社の歴史を追うのは必至と言えるでしょう。
ベンツ社
ベンツ社は1844年生まれのドイツ人技術者、カール・ベンツによって創設されました。
機械工学や内燃機関を学び、また車輪のついた乗り物として自転車を愛好していたベンツは、1883年に創業した自身の産業機械メーカーのBenz & Cie.でガソリンエンジンを使った3輪車を開発、1885年に完成したこの自動車はベンツ・パテント・モートルヴァーゲンと命名されました。
20世紀後半、この自動車は世界最初のガソリンエンジンの自動車として広く知られてきましたが、実際にはベンツが自動車を完成させる前の1870年代にオーストリア人のジークフリート・マルクスが、ファースト・マルクスカーと呼ばれるガソリンエンジンを持つ自動車が開発を成功させていたので、この説は誤っていることになります。
マルクスの知名度が著しく低いのは、彼がユダヤ系であった為に、1930年代以降政治的な意図から、その存在を影に追いやられてしまったというのが要因として知られています。さらに、自動車関連の特許を取得しなかったマルクスに対して、ベンツは変速機構や冷却装置など後年まで続く機構の特許を取得して自動車のカタチを定義づけていくなど、両者のスタンスの違いもありました。
少なくとも今日に続く自動車の在り方を最初に決めたのがベンツというのは、確かではないでしょうか。またベンツ社の自動車はモータースポーツでも活躍し、1925年には”BENZ”というアルファベットを月桂樹で囲んだロゴマークを利用しました。同社ではホルヒやアウディを創設したアウグスト・ホルヒも在籍しました。
ダイムラー社
一方のダイムラー社は1834年生まれのドイツ人技術者、ゴットリープ・ヴィルヘルム・ダイムラーによって創設されました。
ダイムラーは1885年に2輪車にガソリンエンジンを搭載し今日のオートバイの原型を作ったほか、1889年には4輪のガソリン自動車も開発します。ダイムラーの盟友で内燃機関の技術者だったヴィルヘルム・マイバッハと一緒にダイムラー自動車株式会社が設立されたのは1890年のことでした。
1900年にはダイムラーは亡くなり、1907年にはマイバッハが退職して自身のエンジンメーカーを設立しますが、ダイムラー社自体は存続しました。ダイムラー社ではフェルディナント・ポルシェが一時期勤務した他、ダイムラーのエンジンの製造販売を行う為にイギリスで設立されたデイムラー社は、後に独立してイギリスの格式ある自動車会社となるというエピソードもありました。
また、ダイムラー社は自身の自動車製品に関して、ダイムラー社へ出資した実業家の娘の愛称であり、スペイン語で慈悲深いという意味を持つメルセデスという名前でブランド展開を行いました。ダイムラー社は陸海空を示す3つ星のマーク(3ポインテッドスター)を丸で囲み”MERCEDES”という文字を下に入れたロゴを利用しました。

メルセデス・ベンツの名前の由来が「ダイムラー社へ出資した実業家の娘の愛称、スペイン語で慈悲深いという意味」ということを知っただけでも何か得したような気分になる記事です。ちゃんとした歴史を知った上で現在の姿をみることは大事ですね。
『メルセデス』といえばオペラ“カルメン”にそんな名前のキャラクターがいたような(笑)
自動車の歴史とも言える企業ですが、自動運転などでどう変わっていくのか興味があります。
Gクラスのデザインはかっこいいです。