メルセデス・ベンツの歴史 – 最高の車を追及する思想とは?

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最善か無か”の設計思想

1960年代、メルセデス・ベンツは通称「Sクラス」「コンパクトクラス」の2つの乗用車、300SLに源流を持つものの、ややラグジュアリーカーとしての要素を強めて再出発した「SLクラス」、そして戦前の超高級車に源流を持ち、ロールス・ロイス等に対抗するモデルとして開発された「600」の4車種と、そのバリエーションのみというシンプルな構成でラインアップされていました。このラインアップは、世界的に見てもかなりシンプルなものでした。

このように割りきった販売戦略の背景には「Das Beste oder nichts(最善か無か)」という設計思想がありました。最善の自動車を作れないならば、いっそ何も作らない方が良いというこの徹底した設計思想は全車種に徹底されており、安易に車種を増やすよりも1車種毎に執拗なまでにコストをかけた開発が行われていたのです。

この時代のメルセデス・ベンツは消耗品の交換さえ行えば、耐久性は100万キロに達すると謳われていました。実際にこの時期のベンツがギリシャのタクシーとして460万キロを達成しています。営業のために複数のエンジンを交換しながらの走行距離とはいえ、耐久性の高さを裏付けるエピソードです。

とはいえ進化を嫌っていたわけではなく、モデルチェンジを繰り返すたびに安全性は強化され、特にオイルショック以降は燃費や空力性能にも気を遣われるようになりました。1982年末に従来の「コンパクトクラス」を下回るエントリーモデルとして登場した「190」(W201)は、日本では小型車に分類される小さな車体に樹脂部品を多用しつつも、上級モデルと変わらない安全性や性能を持つ自動車として、後年に渡って高く評価されています。

W201(190)(1980年代)

尚、1970年代には、ヨーロッパでは旅客機の製造開発を行うエアバスが発足していますが、この事業にもダイムラー・ベンツは深く関与しました。

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再編と将来の模索、メルセデス・ベンツの目指す姿とは?

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この記事へのコメント 4

  • Zenn のプロフィール写真 Zenn より:

    メルセデス・ベンツの名前の由来が「ダイムラー社へ出資した実業家の娘の愛称、スペイン語で慈悲深いという意味」ということを知っただけでも何か得したような気分になる記事です。ちゃんとした歴史を知った上で現在の姿をみることは大事ですね。

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  • リリオ のプロフィール写真 リリオ より:

    『メルセデス』といえばオペラ“カルメン”にそんな名前のキャラクターがいたような(笑)

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  • 仮面サラリーマン のプロフィール写真 仮面サラリーマン より:

    自動車の歴史とも言える企業ですが、自動運転などでどう変わっていくのか興味があります。

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  • moleskine80 のプロフィール写真 moleskine80 より:

    Gクラスのデザインはかっこいいです。

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Kotaro Harakawa のプロフィール写真
writer, medical doctor, JAPAN MENSA member


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