ドイツでもテロは起こるか?フランスとの移民の”質”の違いによるテロリスクとの相関性

11月13日にフランスのパリで起きたテロは、飲食店・音楽会場やサッカー場を同時に襲うという計画的で大規模なものだった。フランスでは1月にもイスラム教を侮辱する風刺画を掲載したとして、シャルリー・エブド社がイスラム過激派に襲撃されて17人が死亡している。現在の情報では犯行はシリアに拠点があるイスラム過激派ISが関与しているとされているとされ、これらの動きを受けてテロの連鎖が心配されている。

今回の事件を受けて、イスラム過激派ISやシリア難民がクローズアップされているが、やはり注目を集めているのは「次のテロの標的はあるのか」という点だ。そして、ドイツ・メルケル首相が2015年9月に発表した「シリア難民80万人受入れ」の移民政策が続行されるかどうか。そこで、ドイツなど欧州への流入がより盛んになってきている「シリア難民」について整理確認してみよう。

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シリア難民とは

まずはシリア難民の背景を見てみよう。シリアでは2011年3月にアサド政権により引き起こされた内戦のため、2010年に2,140万人いた国民は難民として流出を続けている。国連難民高等弁務官事務所(以下UNHCR)によると、2015年11月中旬現在のシリア内戦による難民総数は429万人を超える。

主な受入先は、トルコ218万人、レバノン107万人、ヨルダン63万人、イラク24万人、エジプト13万人と報告されている。しかしながら周辺各国合計で425万人になり、ヨーロッパ各国に流入している数が68万人と報告されている事を合わせると計算が合わない。実際のシリア難民がより一層多いのか、受入各国が割り増しして報告しているのかは定かではない。いずれにせよ、混迷の度合いは深まる一方である。

アフガニスタンやシリアなどから多くの難民が欧州へ向かっているcnn.co.jp

シリア難民は二極化

そして難民の動きを見るうえでとても大切な事がある。難民が国を捨てて国外脱出するためには、運び屋に金を払わないといけない。歩いて行ける隣国の場合は無料や格安もあるだろうが、遠く欧州(特にドイツ)まで行くには運び屋のサポートがないと難しいのである。つまり貧困層は、難民にすらなれないのだ。
シリアで上位20%位の富裕層(事業家や弁護士・医者など)が、豊かな欧州を目指す事ができるのだ。欧米の軍事介入あたりからシリア内戦は益々激しさを増しているので、欧州に流入するシリア難民が激増している事がうなずける。

>>次ページ
この動きが更なるテロに繋がるのか?

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この記事へのコメント 6

  • 櫻井 順平 のプロフィール写真 櫻井 順平 より:

    ドイツの難民受け入れ施策も、極めて政治的・経済的な利益が根底にあった。難民受け入れといえば聞こえはいいが、所詮各国の都合のよい受け入れ方しかしないのでしょう。政治家にも国民を守り、経済を繁栄させるという使命があるので仕方ないことかもしれません。

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  • Zenn のプロフィール写真 Zenn より:

    日本から見るとヨーロッパへの難民はみな同じように見える。日本での報道もとくに難民を区別しないものが多い。
    歴史的な観点から理解していかないと、フランスとドイツでの難民の違いはわからない、ということが分かってとても参考になった。ということは、いままさに歴史に遭遇しているということかもしれない。

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  • あい。 のプロフィール写真 あい。 より:

    難民自体を受け入れるのが、危険なのではなく。どの国の、どんな層の難民が危険かということですか。
    難民ではなく、自国民でも言えるかも。国家を維持してくれる、善良な生産性の高い国民は増えて欲しいけど。
    悪逆で生産性の低い、犯罪者予備軍は増やしたいとは思いませんから。
    それが、難民だったら。尚更、顕著に思ってしまうのかも。

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  • kisetu-ju のプロフィール写真 kisetu-ju より:

    シリアの二極化を読んでみると、貧困な人は難民にもなれない。富裕層だけが逃れられる。それも難民として。
    シリア人は非常につらい選択です。軍事勢力における治安の悪化もあり、国を逃れたいとしてもそれすら許されないこともある。シリアの人々の心穏やかな日が早く訪れますように祈るばかりです。

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  • Sine のプロフィール写真 Sine より:

    ドイツが難民を受け入れるのは、難民の方が安い賃金で働いてくれるし、ドイツ人が嫌がる仕事でも難民たちはしてくれる。
    でも、フランスとドイツについての差は、やはり第二次世界大戦前後までにおける植民地である。
    フランスは、イギリスと並んで世界中を特に西アフリカを植民地にしていたし、インドシナでも独立運動について認めず、執拗に
    独立をさせないように戦争をしてきた。一方、ドイツは、第一次世界大戦において敗戦国となり植民地を全部手放し、植民地
    していた国や地域にそれほど影響を与えているというわけでもない。
    今の、シリア問題も第一次世界大戦におけるオスマントルコの領土分割支配から招いた結果なのだから責任は、基本的に
    フランスとイギリスにある。

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  • supipi のプロフィール写真 supipi より:

    多くのドイツ人は第二次大戦の反省と戦後の教育から本当に難民を助けたいと考えています。ただ、他者への理解と正しい行動を推し進めることの難しさに直面しているのだと思います。この先どう進めばいいのか、ドイツ人自身の模索が始まっているところでしょう。今後が気になります。

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