女性・移民に厳しい?ドイツの奨学金制度

ドイツは学費が無料や格安な上、学生への支援制度が充実しています。というより、大学の授業の内容が濃いので、日本のようにバイトしながら生計を立てるのがむずかしいんです。そのため、各種奨学金があります。

ですがその奨学金の受給も、「だれでも平等」ではないようです。学生のプラットフォームであるmyStudiumとメルカトル財団が、奨学金に関しての統計を発表しました。性別や家庭環境などによって、奨学金をもらえる確率に差がある、という結果になっています。

女性は奨学金をもらうのがむずかしい?

フランクフルター・アルゲマイネ紙では、発表された統計をもとに、「平均的に男性よりも成績が良いにもかかわらず、女性が奨学金を得るのは男性よりむずかしい」と報じています。

どれだけむすかしいのか、統計で見てみましょう。

男女別、奨学金応募者の割合http://www.mystipendium.de/uploads
男女別、奨学金受給率http://www.mystipendium.de

奨学金の応募者は、男性65%、女性は63,5%。そして23%の男性、21,4%の女性が奨学金を受給しています。「女性の方がチャンスが少ない!」という論調なので見てみましたが、思ったより差がないように思えます。

ですが同記事では、「女性の方が平均の成績がいいのに受給率が少ないことが問題だ」と指摘しています。たしかに成績がいいのに受給率が低いのは不平等と感じるかもしれません。

奨学金の受給には家庭環境も影響

また、両親の学歴によっても、受給率に差があるようです。両親の学歴が低い、平均、それなり、高いの4つに分けると、その子どもの奨学金受給率は以下のようになっています。

奨学金受給者の両親の学歴http://www.mystipendium.de

両親が低い学歴の場合、受給率は19,7%。高い学歴の場合、25,6%。これは明らかに偏っていますね。

移民背景を持っている子どももまた、不利になっています。上から、「片親に移民背景アリ」「両親/自身が移民」「ドイツの高校を出た外国人学生」「ドイツの高校を出ていない外国人学生」「移民背景なし」となっています。

移民背景別、奨学金受給率http://www.mystipendium.de

この統計のうち、ポイントはふたつです。

ひとつめは、片親が移民背景がある子どもは19,9%、両親もしくは自身が移民である場合は20,9%と、両方のグループで約2割の学生が奨学金をもらっています。これは移民背景がない22,4%よりやや少ない数値です。

ふたつめは、ドイツの高校を卒業していない外国人学生の受給率が25,1%と高いこと。わたしのように、日本の高校や大学を卒業してからドイツの大学に進学した人ですね。そういう場合は、受給の確率が高くなるようです。

奨学金は学生の希望だ

22%の学生が、なんらかの奨学金を利用しているドイツ。大学進学が主流になりつつあるなか、奨学金の存在は、学生にとっては「希望」となりえます。奨学金を受給できるか否かの判断は、自分ではどうしようもない要素で左右されてはいけません。両親の学歴や性別は本人の能力とは関係ありませんから、それによって受給の確率が変わるのは不平等です。

奨学金の受給は、経済的に進学がむずかしい、または将来有望の学生にとっては大きなチャンスです。ドイツに限らず日本でも、本人と関係のない要素はできるかぎり平等であってほしいものですね。

この記事へのコメント 6

  • ゆうちゃん のプロフィール写真 ゆうちゃん より:

    とても興味のある記事です。男女差はどうして生まれてくるのか不思議です。一般的に選考基準に性別が関係があるとは思えないし、女性を対象にしたものを逆にみたことがあるような気がするけど、やはり受給率が低いからそういうものがあったりするのですかね。外国人学生に奨学金が出ているのは良いと思います。というか、奨学金とかないと留学するのは大変な気もします。移民背景の有無や両親の学歴なども調べているのは、選考基準に両親の収入とかあったりするからなんでしょうか。

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  • Zenn のプロフィール写真 Zenn より:

    残念ながらこの記事だけでは、統計上の有意性が見られないように思われます。「女性の方が平均の成績がいいのに受給率が少ないことが問題だ」ならば、成績にからめた受給率の統計を示すべきでしょう。

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  • まいける のプロフィール写真 まいける より:

    この統計は情報が不十分でこの数字だけで記事にある結論を導出するだけの有意な差はないようです。この統計が単年度のものなのか、複数年のものなのかもわかりませんし、年度ごとのけいかをとらえているのかもわかりません。

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  • 創聖 中川 のプロフィール写真 創聖 より:

    この統計を見るとあんまり差はわからないですね。あまり思慮が足りないように思えます。いつも思うんですが。日本でも奨学金がどうてら言っていますがそれよりも大学教育を改善するほうが先でしょう。はっきりいって日本の大学はオワコンです。僕も現在大学生なんですが通信制の大学に編入しようと思っているところですから。日本の大学は学費が高いといわれていますけどアメリカのほうが圧倒的に高いです。

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  • ちょっと統計わかりづらいですよ。これじゃあ言わんとしてる事が作為的に見えてしまいます。

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  • Ayano Onozaki のプロフィール写真 Ayano Onozaki より:

    統計データがかなり揺れてそうですね。女性の受給率が少ない、成績が良いのに、というのも…どうなんでしょう?

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雨宮 紫苑 のプロフィール写真
ドイツでジャーナリズムを学んでいます。ライターとして生計を立てるべく、目下奮闘中。ドイツ発のニュースや海外生活情報などをお届けしています。


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