10歳で人生が決まるドイツの教育は「正しい」のか?
ドイツの教育は賛否両論
敗戦国という暗い過去から這い上がったドイツですが、いまやその経済力はEU内随一。再び大国に上り詰め、ヨーロッパの盟主となりました。ドイツが優秀な国である、という事実に異を唱える人はいないでしょう。ではそんな優秀な国であるドイツでは、どのように人材を育てているのでしょうか。
ドイツの教育制度は、日本とはまったくちがい、中学校や高校という概念がありません。また、小学校の後にすでに進路がわかれていきます。

ドイツでは、6歳になると日本と同じように基礎学校へと進みます。いわゆる小学校です。基礎学校は4年間。その後は主に、基幹学校、実科学校、ギムナジウムの3つの学校に分かれます。
基礎学校の4年間が終わると、卒業というかたちはとらずに、その後はそれぞれの能力に見合った学校に、5年生として入学するようなイメージとなります。ギムナジウムに入学した場合、ギムナジウム1年生ではなく、ギムナジウム5年生、となります。
さて、このようなシステムのドイツの教育ですが、多くの批判にさらされてきました。なぜならこの教育システムは選別教育と言っても過言ではないほど過酷なものだからです。
具体的に何が問題かというと、「チャンスが平等でない」ことと、「10歳で人生が決まる」ことにあります。
国の教育が平等じゃない
ドイツの教育は、残念ながら平等とはいえません。どの子どもも同じような可能性を秘めているわけではないのです。

このグラフは、「ギムナジウムの両親はどの卒業資格を持っているか」というテーマの2013年のデータです。つまり、大学進学ができる子どもたちの両親の学歴ですね。
ギムナジウムの生徒の両親の62,5%が大学進学の資格を持っています。それに比べ基礎学校(小学校)以降の学歴がない両親はたったの1,4%。卒業後就職が主な基幹学校出身は7,2%のみ。
この結果がなにをあらわしているかというと、大学進学資格のある親を持つ子どもは、大学進学しやすい、ということです。日本でも家庭の影響は大きいでしょうが、これほど露骨ではありません。ドイツでは、親の進学ステータスがそのまま子どもに受け継がれることが多いのです。
同じ年の「基幹学校の両親の学歴」も見てみましょう。

基幹学校の生徒の43,8%の親が基幹学校出身となっています。基礎学校のみ卒業は10%と、ギムナジウムの両親の1,4%に比べるとかなり高い数値となっています。
10歳という年齢で進路を決めなくてはならないため、親の影響を多大に受けてしまうのは仕方のないことだといえます。ですがこの進学先は将来とても大切になります。それなのに子ども自身の意思が反映されづらいのには、違和感を感じます。
精神的な問題だけでなく、社会的な問題もあります。家庭環境が大きく影響するため、社会的格差が埋まらないまま、階級別のコミュニティができてしまいます。それは子どもの将来を限定してしまうため、大きな問題となっています。
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どんな教育制度にも良い点と悪い点があります。しかし、この教育制度だと、移民や難民の子は高等教育がなかなか受けられず、結局自分たちのコミュニティに縛られるということになりそうです。教育の機会は均等にする努力が必要でしょう。日本の場合には、教育の機会でなく教育そのものを均一にしようとしているので、個々の能力を伸ばすことが難しいのでしょう。そして、結局受験競争の激化の結果、受験教育によって高等教育の機会が決まるということで、親の資産や収入による階級が生じています。
ドイツの教育システムは、日本の単線教育ではなく複線教育なので、
小さい頃に将来を決めてしまわなければならないことが酷ですね。
どこの家庭に生まれたかによって、受けることができる教育のレベルが異なる
ということは不平等かもしれませんが、できる人を伸ばすという考え方は素晴らしいです。
日本は落ちこぼれを救うという考え方ですが…..。
10歳で人生が決まるドイツの教育の話、さらっと日本のメリット的に「シンデレラストーリーがありうる」と「みんな一緒」的に書いているが、「塾が必要になる」時点で経済的に豊かじゃない人は相当不利なのでやっぱ階級固定につながってないか?
私もこの路線でコメント書いたことがあるけど、なんかちょっと違うと思うこの記事の論調。正しさって何
ヨーロッパはギルド制の文化もあったし、割りと生まれながらにして階級が決まってしまうイメージもあったりますね。
大学を出ても新卒ではあまり就職ができないからしっかりとインターンを経て職能に対して就職をする形です。
※日本ってどちらかというと就職というよりも就社というイメージですよね
学校教育の形って文字通り”義務”とされているからこそあまり疑問を投げかける機会がないですが、他国の教育と自国の教育を比較して見るというのも面白いかもしれないですね!
階級の固定は良いとは思わないが、理想論では効率は追えないってわけか。
知らない幸せってのが享受できるというメリットもあるな。
変に知っちゃうと辛そう。
昔はギムナジウムへ行く子はクラスの数名だったが、今は敷居が下がり5〜8割以上が行く時代。あと、非ギムナジウムの子でも他のEU圏の大学なら進学可能だと読んだことが
合理的な階級社会が良いのか?自由と平等を標榜する社会が良いのか?悩めるところです。
しかし10歳は早すぎるのでは?と私は思います。
4年生は、確かに早いよね。オランダもほぼ同じシステムで、日本で言う6年生(こちらの8年生、11歳くらい)で同じ岐路を迎えます。
そして無償?と言われてる国の現実がこちらになります。行く人が限られてるから無償に出来るんじゃない?
もしどのコースに進んでも、能力に応じた職に就き、給料だけで真っ当な生活が出来るのなら、それは正しいと思います。日本はどうなんでしょうか?
前にオッカム先生(@oxomckoe)がtweetしていたドイツの教育制度の解説。人生の初期段階で「選別・適正化」されるのはある意味合理的ではあります。
コース選択時期の自由度、本人の意思による進路変更の自由度が広がれば、これはこれで良いモデルになると思う。
オランダもシステムは違うけど、大きな流れは同じ。日本と大きく違うのは留年制があること。持ち直せる子はそこで持ち直せる。どちらの制度も一長一短だね。
一人一人の動きの無駄を省いてやれば、かなり効率的になるし、発展もしそうですね。
無駄が人を育てたりもするので、なんだかな、と思う気もします。
日本のぼんやりとした平等教育もどうかと思いますし、教育とは、とても難しい気がします。
10歳で階級が固定されるのか。なんともかんとも。。
興味深い。社会構造の維持を優先するなら効率的なシステムだ。個人の尊厳にとっては問題と感じるだろけど、それを全体へ与えるには尋常でない余裕が欠かせない。社会としてそこまで許容できないと判断してるんだろな
西洋が自らを自由や民主主義の発祥の地等と標榜するのとは裏腹に、以前から、実際はクラスやカーストと言う言葉がなかなか似つかわしい文化だと感じているけど。
ドイツでも人生はハードモード(;´д`)
シンガポールでも似たような制度は行われていた気がします。確かに合理的だし10歳のときに将来のことを考えさせることができるのでいいと思います。しかしチャーチルや坂本龍馬など落ちこぼれから偉人になった人もいるので、天才的な人物はこの制度では生まれにくいだろうなあと思います。
日本の教育を受けてきた上の偏執めいた視点からしか読めないからなんとも言えませんが・・・。
そこに暮らしていれば、それが普通のことで・・・10歳は早いとは言いますが、10歳で決まるとわかっていればそれなりに対処できるし、すでにそうやって生活されているのではないでしょうか。
親の影響というのも、誰にでもあると思います。私が想像しているよりも実際には過酷なのかもしれませんが。
これで制度が変わって緩くなると、日本でいう「ゆとり世代」みたいに呼ばれるのかな。
階層に流動性がないうえに、早期に人生が決まってしまうわけだ。大学教育無償とはいえ、これは過酷過ぎる。
あれ、これまだやってるんだっけ。さすがにもうやめたとか聞いたような気がしてたんだけど気のせいだったかな……。
執筆者はドイツで大学に通うライター志望のかたのようだ
ドイツに興味を持って検索したら。はーなるほど。実際ドイツの人はどう思っているんだろう。
ドイツって進路わかれるのそんな早いんだ!
10歳で進路選択の判断はできないと思うしいろいろな分野に手を伸ばせてないと思う。
少なくとも自分がそうだった、、、
まるで人間が歯車のパーツのように見えてしまうのは私が変なんでしょうか?確かに自分に見合った将来に進むには効率がいいやりかたであるとは思いますが、あくまで個人ではなく国家の話し。今はこの課程を終えたドイツの人と話しをしてみたいです。この制度を実際にどう思っているのか?10歳で可能性を見極めるなんて誰にも出来ないと思ういます。
一旦、学生に将来の事を真剣に考えさせ選択させるのはいいと思う。でもその後経験で考えを改めたり、辞めたくなる人もいるはず。
「改める選択」がないのは厳しいよ。
もし10歳で決まるとしても、それで生きていけなくなったりしないのなら大丈夫だと思います。けど、その10歳になるまでの間に一人前の人間として生きていく知識を学べるのかと言われると、少し厳しいと思うので10歳では早いと思いました。
私もドイツの学校制度は問題が多いと思っています。そもそもドイツの学校の授業はお昼までしかなくて、親が家で勉強を手伝うことが前提という風潮が残っているわけですから、親の教育姿勢で子供の進学先が決まる比率がとても高いと思います。近年ではGesamtschule(総合制学校)という3つの学校を掛け合わせたような学校も出てきており、ドイツ国内でも現行の学校制度への問題意識が高いことがうかがえます。
記事にある通り、後から実科学校からギムナジウムへ転入することは非常に難しく、また逆に、成績不振により実科学校へ移らされるケースもあるみたいですよ。いずれにしても10歳で進路を決めないといけないのは早すぎますよね。
なんかシンガポールとかも似たようなシステムだった気が…。
具体的に何が問題かというと、「チャンスが平等でない」ことと、「10歳で人生が決まる」ことにあります。
日本語の本文でもドイツ語流に小数点にコンマを使っているのが面白い。
私が10歳の時なんて、何も考えてなかったよ。。。10歳で先を決めないといけないなんて恐ろしい
何でも身につくゴールデンエイジの10歳までにたくさんのことを勉強できるドイツは素晴らしいと思います。
小学校での勉強過程が変わっていくのも面白いと思います。またそこから個性をのばすことができたなら、登校拒否をする子供も減るのではないでしょうか?
この制度には大賛成!正しい正しくないとかでくくるべきではないと思うけどね。
日本とは全く違う教育方法なんですね。
ドイツでは10歳で人生が決まるとは初めて知りました。
日本も今後こんな教育方法になる可能性はあるんですかね。
そうなると、親も大変ですね。
ドイツの教育方法は私はいい教育だと思う。小さい時から自国がどんなことをしてきたかをちゃんと理解・勉強していくことによって同じ過ちを繰り返さないようにすることが出来る。ドイツは日本と同じ敗戦国である。日本も早いうちから自国がなにをしたか、正しく理解・勉強しなくてはいけない。日本の教育はドイツやそのほかの先進国の教育より1段階遅れている気がする。もっと早くから教えるべきだと思う。
決めれない人にとってはいい仕組みかもしれません。
また国力としても計算しやすい仕組みです。