シュトゥットガルト~自動車産業で栄える工業都市~
自動車産業で有名なドイツを代表する工業都市~
ドイツ南西部のバーデン=ヴュルテンベルク州の州都、シュトゥットガルト。この街は自動車産業が世界的に有名で、ベンツ、ポルシェ、ダイムラー、ボッシュなど、業界のワールドリーダーとなっている大企業の本社があります。

また、市内とその近隣には、これら大企業と密接な関係があるメカニカル、エンジニアリング部門の中小企業がたくさんあります。また近年ではソーラー関連企業も多く設立されています。自動車関連以外でも、キッチン家電のWMF、高圧洗浄機のKARCHER、農業機械のSTIHL、メンズファッションのHUGO BOSS、ITのSAPなど、様々な有名大企業が軒を連ねます。メッセ(見本市)も多数開催されていて、最新の技術と製品を求め世界中から人々が集まる街です。
立地的にフランス、スイス、イタリアに囲まれ、ヨーロッパの中心であることも、この街がドイツ南西部の物流の中心地として大きく発展してきた理由の一つと言えるでしょう。現在も、国内有数の裕福な街としてドイツ国内では知られています。なお、中心部の「街」のエリアはたいへん狭く、その外側は広大なブドウ畑が広がるのどかな田園風景になっています。「黒い森」とも隣接し、豊かな自然に囲まれた美しい地域です。
工業の歴史は、鳩時計の製作から始まった!
時計は「精密機械」の代表製品。ドイツ語でシュヴァルツヴァルト(Schwarzwald)と呼ばれる「黒い森」周辺は、現在も有名な鳩時計の産地です。

17世紀に、夏は農作業をする農民達が、長く厳しい冬の間にも何か仕事をしたいと考え、身近に手に入る木と銅線を使って簡単な仕組みの「時計」を作りました。その後、貴族のニーズに応えるために、カッコーの声を模して時間を知らせる「鳩時計」が開発され、材料には木だけでなく金属やセルロイドも使われるようになり、工芸品としても高評価される形に発展していきます。
この、精密機械と工芸品が融合した「鳩時計」の作り方を身につけた技術者が、その技術を別のさまざまな工業製品を作るために応用していったのが、この地の工業の歴史の始まりでした。
主要産業の自動車工業については、19世紀前半に世界初の蒸気機関の自動車が実用化されています。その後、1876年に現在も使われているエンジンの元となる「オットー・エンジン」が開発され、10年後にはゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツが、それぞれガソリン・エンジンを搭載した自動車を作り上げました。2人はその後改良を重ね、現在の形の基礎となる四輪車を完成させました。
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