シリア難民問題はドイツの日本人や日系企業にどのような影響を与えるのか?

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今後、日本人や日系企業にどのような影響があるのか?

ドイツには日系企業約1570社が進出している。欧州諸国で最も日系企業が集まっているのがドイツだ。特にデュッセルドルフ周辺には500社以上あり、日系企業の進出は毎年、50~70社増えている。

ドイツは2008年のリーマンショック後、迅速に法人税を引き下げ、経済の再生に成功した。しかし、流入の歯止めが効かないシリア難民に対し、ドイツ政府の財源が危惧される。ドイツに展開する日系企業にとっても、税率の上昇などの不安材料が出始めた。

経済失速が現実味を帯びる複数の要因

ドイツは今、大問題に悩んでいる。密接な関係にある中国経済の急減速、VW・ディーゼル車の排ガス規制のデータ改ざん問題だ。1100万台に及ぶリコールだけで4兆円の費用がかかると報じられている。米国からの制裁金を含めれば、もはや天文学的な金額になる。

そして、予想より30倍も多い年間150万人が難民申請をしそうなシリア難民流入。実質2%という堅調な推移を見せていた経済成長は、失速する可能性が高まっている。

AFP通信が、2015年9月6日のドイツ日刊紙「フランクフルター・アルゲマイネ」の記事を引用し、今年の同国の難民受け入れの経済負担が100億ユーロ(約1兆3200億円)に達する可能性があると伝えた(10月には既報の通り増額)。2014年の実に4倍もの費用になるという。当然、増えた支出の財源は税金になる。

ドイツの日系企業に影響が出る可能性も

ドイツで活動する多数の日系企業にとって、シリア難民問題は深刻だ。

ドイツの国・地方税を含めた法人税率は29%(日本は31%)。多くの移民を受け入れている自由の国・米国は40%超に跳ね上がる。ドイツで活動する外国企業にとって、不安視しているのが法人税等の増税だ。

ドイツ国内で活動する米国系IT企業の幹部は「シリア難民問題は、企業経営者にとっても楽観視できない」、英国系金融関係幹部は「ドイツの税制は複雑で、外国企業に新たな支出項目を増やすだろう」(以上、ロイター通信)と見る。当然、ドイツ国内に数多い日系企業にも、影響が出てくる可能が高い。わずか1%の税率アップだけで、ドイツから撤退する相当の理由になる。

ドイツ連邦政府は、難民対策の予算を2015年9月に8400億円、10月に1兆3200億円の増額を発表した。それだけ、流入する難民の数が尋常ではないからだ。国民の税率を上げる理由として、コンセンサスを得るために、日系企業を含む外国企業が重税というスケープゴートにされる可能性が高い。

さらに、難民を抱えきれなくなったドイツが、アジア圏を含めて、受け入れ要請をすることも考えられる。難民どころか、ドイツも行く手が、ふさがりつつあるのだ。

移民の増加に伴う治安の悪化や、景況感の悪化により、ドイツという国でビジネスを行うリスクは高くなってくるだろう。今、ドイツでビジネスを行っている日系企業や今後投資を考えている日系企業は、こうした政治的な問題も絡めた難しい舵取りが必要となってきている。

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