フォルクスワーゲン排ガス不正【これまでの経緯】

フォルクスワーゲンの排ガス規制検査の不正を時系列でまとめています。

新しい動きがあれば適時アップデートしていきます。

不正発覚の発端は?

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アメリカ環境保護局(EPA)の指摘で発覚

事の発端は2015年9月18日の金曜日。

アメリカ環境保護局(EPA)が、アメリカで販売されていたフォルクスワーゲンとアウディのディーゼル車に、排ガス規制に関するテストを違法にクリアするためにソフトウエアを搭載していたと発表したことによる。

対象は、アメリカで販売された2009~15年型を中心とした約482,000台。

大気浄化の法令違反で1台当たり37,500$の支払を求められる可能性があるため、VW側に最大約180億ドル(約2兆1600億円)の民事制裁金を科される可能性がある。

[news_link link_url=”http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H22_Z10C15A9NNE000/” link_name=”独VW、違法に排ガス規制クリア 制裁金最大2兆円超も【日本経済新聞】”]

2008年以降、リーマンショックでアメリカでの販売不振となった時期でもあり、そうした焦りが不正を助長したのか。

排ガス不正疑惑は欧州各国、さらには他の自動車メーカーへと波及

不正を認めたVW、週明けの株価は大幅下落

2015年9月21日(月)、フォルクスワーゲンは不正を認め、外部の専門家に依頼し調査を開始。

フォルクスワーゲン株は、前週末比で23%下落し、制裁金の最大額180億ドル(約2兆1600億円)に相当する時価総額約154億ユーロ(約2兆900億円)が喪失。

[news_link link_url=”http://www.marketwatch.com/investing/stock/vow/charts?symb=XE%3AVOW&countrycode=XE&time=100&startdate=9%2F13%2F2015&enddate=9%2F22%2F2015&freq=8&compidx=none&compind=none&comptemptext=Enter+Symbol%28s%29&comp=none&uf=0&ma=1&maval=50&lf=1&lf2=4&lf3=0&type=1&size=3&style=340″ link_name=”9月21日までのVW株価推移”]

仮に最大額の制裁金が科された場合には、ブランドイメージの悪化による販売への影響も相当程度あることから、この程度の下落では済まない。

特に他国で同様の不正があったかどうかの調査が待たれる。

[news_link link_url=”http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NV0OYE6TTDS201.html” link_name=”独VWの株価が23%急落、米排ガス規制検査で不正-CEOは謝罪【Bloomberg】”]

違反対象台数は50万台から1100万台へ

2015年9月22日(火)、アメリカで50万台と推定されていた不正ソフトウェア搭載のVW車は、全世界で1100万台に上ると公表された。

フォルクスワーゲンは、対策費用として65億ユーロ(約8700億円)を見積もっているが、現段階で調査中ということで今後大幅に変動する可能性がある。

[news_link link_url=”http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150923/k10010244731000.html” link_name=”フォルクスワーゲン 不正ソフトは約1100万台に【NHK NEWS WEB】”]

対策費用、制裁金のみならず、最も影響が懸念されるのは、ブランドイメージの悪化に伴う今後の販売影響。

質実剛健で洗練されたデザインを持つ「ドイツ車」のイメージ悪化は避けられない様子で、特にアウディ、ポルシェといったVW傘下のブランドには悪影響が想定される。

[news_link link_url=”http://www.reuters.com/article/2015/09/22/usa-volkswagen-germany-image-idUSL5N11S38X20150922″ link_name=”「Made in Germany」のイメージを汚すVWの不正スキャンダル【REUTERS】”]

9月22日のVW株は、前日比でさらに約20%下落し、2日間で約34%の下落。
時価総額が2日間で3兆円超吹っ飛ぶという、過去に例がない異常事態となっている。

[news_link link_url=”http://www.marketwatch.com/investing/stock/vow/charts?symb=XE%3AVOW&countrycode=XE&time=100&startdate=9%2F14%2F2015&enddate=9%2F23%2F2015&freq=8&compidx=none&compind=none&comptemptext=Enter+Symbol%28s%29&comp=none&uf=0&ma=1&maval=50&lf=1&lf2=4&lf3=0&type=1&size=3&style=340″ link_name=”9月22日までのVW株価推移”]

ちなみに、この日のブンデスリーガでは、VWがメインスポンサーとなっているVfLヴォルフスブルクがバイエルン・ミュンヘンに1-5で惨敗。

レヴァンドフスキが9分間に5ゴールと、こちらもブンデスリーガ史上最速記録。

スポンサーがこれだけやられると、サッカーにも影響が出るかもしれません。

[news_link link_url=”http://www.soccer-king.jp/news/world/ger/20150923/352722.html” link_name=”レヴァンドフスキ、9分で5点のリーグ最速記録に「信じられない」【SOCCER KING】”]

責任の所在は?ウィンターコルン社長の辞任

2015年9月23日(火)、早速犯人、共犯者探しが開始されました。

不正の規模が大きいので、対応次第でドイツ経済そのものに影響を及ぼす可能性があります。

万が一、ドイツ政府関係者が事前にこの不正を知っていたとすると、フォルクスワーゲン並びに他のドイツ車メーカーのみならず、ドイツという国の信頼問題にもなりかねません。

[news_link link_url=”http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NV4Q036K50XX01.html” link_name=”ドイツ運輸相:政府がVWの排ガス不正を事前に把握との疑いを否定【Bloomberg】”]

フォルクスワーゲンのウィンターコルン社長は、排ガス不正操作問題の責任を取るため辞任すると伝えられています。

「自身で過ちを犯したとは考えていないが、社の利益のために決断した」というコメントが、良くも悪くも素直に非を認めないドイツ人らしさを表しています。

後任は25日に発表されるとのこと。

[news_link link_url=”http://www.newsdigest.de/newsde/news/news/7268-2015-09-24.html” link_name=”排ガス不正のVW、ウィンターコルン社長が引責辞任【ドイツ ニュースダイジェスト】”]

なお、スキャンダルで役員が辞任するときによく話題になる退職金について早速報道がありました。

最大80億円ということで、やはり日本とは桁が違う。。。

「社の利益のために決断」したのであるならば、80億円いらないって言ってほしいとこですが。果たして「男気」出せるのか。

[news_link link_url=”http://jp.wsj.com/articles/SB11831858956330503399404581253762669966574″ link_name=”VW、辞任したCEOに最大80億円の退職金?【THE WALL STREET JOURNAL】”]

なお、この日のVW株は落ち着きを取り戻したようです。

[news_link link_url=”http://www.marketwatch.com/investing/stock/vow/charts?symb=XE%3AVOW&countrycode=XE&time=100&startdate=9%2F15%2F2015&enddate=9%2F24%2F2015&freq=8&compidx=none&compind=none&comptemptext=Enter+Symbol%28s%29&comp=none&uf=0&ma=1&maval=50&lf=1&lf2=4&lf3=0&type=1&size=3&style=340″ link_name=”9月23日までのVW株価推移”]

シルバーウィーク明け、日本市場への影響

2015年9月24日(木)、今読み返すと、スズキのフォルクスワーゲンとの提携解消のタイミングは絶妙です。

この時既に何かを知っていたのではないのではと。。

>>スズキ、自社株買い戻し完了 VWとの提携は完全解消【日刊工業新聞】

シルバーウィークを挟んだ連休明け、日本の自動車メーカーを中心とした影響が気になるところです。

取り急ぎ、VWとの提携で関連が深かったスズキの株価をチェックしてみました。

9月18日終値 3858.5円⇒24日9時20分 3699円(▲4.1%)

ノーダメージとはいかないまでも、VWがらみでの影響は限定的のようです。

[news_link link_url=”http://info.finance.yahoo.co.jp/history/?code=7269.T&sy=2015&sm=9&sd=18&ey=2015&em=9&ed=25&tm=d” link_name=”スズキ株価【yahoo!ファイナンス】”]

VWと世界販売台数1位の攻防を繰り広げていることで、比較されることも多いトヨタ。

9月18日終値 7234円⇒24日終値 7100円(▲1.8%)

ハイブリッド推しということで、影響は少ないようです。

[news_link link_url=”http://info.finance.yahoo.co.jp/history/?code=7203.T&sy=2015&sm=9&sd=18&ey=2015&em=9&ed=25&tm=d” link_name=”トヨタ株価【yahoo!ファイナンス】”]

クリーンディーゼルを推進していたマツダはどうでしょうか?

9月18日終値 1970円⇒24日終値 1836円(▲6.8%)

他社と比較して影響が大きいような気がします。

まだ不正に関するコメントを出していないので、これからの対応が注目されます。

[news_link link_url=”http://info.finance.yahoo.co.jp/history/?code=7261.T&sy=2015&sm=9&sd=18&ey=2015&em=9&ed=25&tm=d.T” link_name=”マツダ株価【yahoo!ファイナンス】”]

フォルクスワーゲンショックの余波は?

2015年9月25日(金)、ドイツのドブリント運輸相は、アメリカのみならずヨーロッパでも不正があったことを伝えている。

さらには、調査は他のドイツ車メーカーにも及んでおり、BMWのディーゼル車X3からも欧州の排ガス基準値の11倍に当たるNOxが検出されたと報じている。

BMWは即座にこれを否定するコメントを出しているが、今後は同様の疑惑の目がVW以外の他の自動車メーカーに向けられることは間違いない。

日系自動車メーカーには、不正がなかったと信じたい。

[news_link link_url=”http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150924-OYT1T50107.html” link_name=”VW不正で独大臣「欧州でも」…BMWにも疑惑【YOMIURI ONLINE】”]

なお、フォルクスワーゲン傘下のブランドの一つ、チェコのシュコダはクロが確定している。

[news_link link_url=”http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150925/k10010248061000.html” link_name=”フォルクスワーゲン 傘下のシュコダでも不正【NHK NEWS WEB】”]

車メーカー以外にも、関連下請けメーカーは大きな打撃を受けることが想定される。

ドイツへの投資がかなり活発になってきている中、他業種へ影響を及ぼすスキャンダルは経済にとって急激なブレーキとなるのか。

[news_link link_url=”http://newswitch.jp/p/2141″ link_name=”VWの不正問題。部品メーカーはドイツの拠点戦略再考も【NEWSWITCH】”]

元ポルシェ会長、ミュラー新CEOの元での信頼回復

9月23日のウィンターコルンCEO辞任発表の後、フォルクスワーゲンの監査役会は元ポルシェ会長のマテウス・ミュラー氏を後任とする人事を発表しました。

ミュラー氏は1978年にアウディに入社。アウディA3のプロダクトマネージャーを務めた後、VWの製品戦略、VWグループ全体のブランドマネジメント等のVW躍進の立役者として活躍した後、2010年からポルシェのCEOに任命されている。

[news_link link_url=”http://jp.reuters.com/article/2015/09/25/volkswagen-emissions-ceo-idJPKCN0RP25G20150925″ link_name=”VWの不正問題。部品メーカーはドイツの拠点戦略再考も独VW新CEOにミュラー氏、「信頼回復に尽力」【REUTERS】”]

VWの株価は、不正発覚後の1週間のみで、最大4割以上下落し、一時330億ユーロ(約4兆4500億円)の時価総額が毀損している。

失った株価とともに、信頼を取り戻すためには、今後のミュラー新CEOの手腕にかかっている。

[news_link link_url=”http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM25H7R_V20C15A9FF2000/” link_name=”独VW、時価総額4兆円超失う 排ガス不正で株急落【日本経済新聞】”] [news_link link_url=”http://www.marketwatch.com/investing/stock/vow/charts?symb=XE%3AVOW&countrycode=XE&time=100&startdate=9%2F17%2F2015&enddate=9%2F26%2F2015&freq=8&compidx=none&compind=none&comptemptext=Enter+Symbol%28s%29&comp=none&uf=0&ma=1&maval=50&lf=1&lf2=4&lf3=0&type=1&size=3&style=340″ link_name=”不正発覚後1週間のVW株価推移”]

原因究明と政府との癒着

ソフトウェア不正についての認識

ソフトウェアの不正については、2011年の時点で既に社内で指摘があったことが発覚。

フォルクスワーゲンとしては、ますます知らなかったとシラを切るのが難しくなってきており、企業としてのガバナンスが有効に機能していなかったことが明るみになってきている。

[news_link link_url=”http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150927/k10010249741000.html” link_name=”VW「違法のおそれ 4年前に社内で指摘」【NHK NEWS WEB】”]

さらに、この不正ソフトウェアを作成したのは、VW本体ではなくTier1の自動車部品メーカー「ボッシュ」であったと伝えられているが、ボッシュとしては、このソフトウェアはテスト利用目的のもので、一般に販売される車に搭載するのは違法であるとの指摘を2007年の時点で行っていた。

このボッシュからのコメントに対して、VWがどのように反応するかが見物である。

[news_link link_url=”http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150928/k10010250051000.html” link_name=”独メディア“部品メーカーが2007年に警告”【NHK NEWS WEB】”]

そもそもヨーロッパでは検査が形骸化

しかし、ヨーロッパでは、アメリカで使われた不正ソフトウェアとは別の問題が浮上。

EUの規制では、実際に公道を走る車とは別に、エアコン等を取り除くことによって車の重量を軽くした「ゴールデンサンプル」での試験が認められており、検査結果を調整することをEUが公に認めていたというのである。

[news_link link_url=”http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NV6QZY6K50XX01.html” link_name=”欧州では「ごまかす」必要すらない、排ガス検査のための小細工は合法【Bloomberg】”]

そして、そこにはやはり政治の影があり、抜け穴だらけの検査を継続するためのロビー活動が行われていたということである。

[news_link link_url=”http://www.afpbb.com/articles/-/3061227″ link_name=”車の排ガス試験で「抜け穴」要求、独仏英がロビー活動か 文書流出【AFP BB NEWS】”]

フォルクスワーゲンの本社があるニーダーザクセン州は、VW社の株式の20%を保有し、監査役会(取締役会に相当)で2議席を確保しているとのこと。

世界一を目指したフォルクスワーゲンと、経済の立て直しを最優先に進めたドイツ政府の利害の一致が、癒着を生み、けん制機能を失ってしまったということでしょうか。

[news_link link_url=”http://jp.wsj.com/articles/SB12598418299951774152004581257760919943914″ link_name=”VW不正、ドイツで警告が無視された背景 政府と業界が癒着か【THE WALL STREET JOURNAL】”]

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