ドイツでよく耳にする「WG」って何?WGの魅力とその現状に迫る

ドイツ人学生だけでなく、留学生の間でも一般的な暮らし方となっているWG。ドイツでのWGとはそもそも何なのか、そしてそのメリットとデメリットは?今回は、そんなWGの魅力と現状をまとめてご紹介いたします!

ドイツのWGとは

WGとはWohngemeinschaftの略称。直訳すると住宅共同体、俗に云うルームシェアやハウスシェアのことです。一般的なWGは2~4人住まいでバスルーム・トイレ・キッチンは共同、住人は各自の部屋を持っています。家屋の大きさや住人の数はWGによって異なり、規模の大きいWGともなると7~10人で共同生活、なんてことも。

そして大学機関が斡旋してくれる学生寮とは違い、ドイツでのWGは個人的に探して入居するのが一般的。もちろん学生だけでなく社会人でも好んでWGに住む人はいますが、WGの住人としては学生が大多数です。学生同士のネットワークは、WG探しにおいても非常に便利。友達同士の入居も少なくはありません。

入居するにあたっては、家主とやりとりをする場合や既に住んでいる人による選定などがあります。入居日や家具のやりとりなどは交渉ができるので、家探しの中でもWGはフレキシブルなものといえるでしょう。

WGのメリットとデメリット

先に述べたように友達同士の入居もありえますが、基本的にはほぼ初対面の人との共同生活となるのがWGです。こういったライフスタイルには、一体どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

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<WGのメリット>

1:生活費を抑えられる

全体の家賃を住人の頭数で折半するので、1人で部屋を借りるよりも安上がり。そして入居の際支払うKaution(敷金)も、1人住まいを手配する時よりも安いです。人が集まる大都市では、家賃が高くなるのは当たり前。しかし掘り出し物のWGは意外に多く、好立地でありながら安価で住める物件は街中にもあるものです。家賃折半の醍醐味、とはまさにこのこと。

2:基本的に家具付き

家探しの際に「möbliert」とある場合、それは家具付きを意味します。どの家具が付いているかは、家によって異なります。ベッドや勉強机、洋服ダンスなど、最低限必要な家具を代々引き継いでいるWGがほとんど。またWGではキッチン用品や家電も基本的に共有なので、入居してからの生活を割とスムーズに開始できるのが有難い!家具や家電に相当なこだわりがある方は別ですが、買い揃える手間や費用を削減できると考えると、助かることに違いはありません。

3:ドイツ語学習に最適

これは留学生がWGを選ぶ最も大きな理由、と言っても過言ではないでしょう。必ずしもドイツ人の同居人(Mitbewohner)と住むことになるとは限りませんが、他の留学生と住むことになるとしても、大体ドイツ語が共通語になります。生活に必要なドイツ語をはじめ、学校では習わないような言い回しなどを習得する絶好の機会と言えるでしょう。共同のキッチンで一緒に料理や食事をすることで、コミュニケーション力アップも期待できます。

4:情報交換の場としても便利

この点も特に留学生など外国人の住人に対して言えることですが、海外生活において役所や銀行からの手紙は不安の種になりがちです。そういった生活の出来事について、同居人というのは非常に相談しやすい存在。仮に家に関するトラブル(断水工事やメンテナンス作業のお知らせなど)が発生したとしても、同居人と相談することができるので心強いですね。

<WGのデメリット>

1:住人との相性

各WGごとに、そのルールや雰囲気は異なります。人数が多いWGだと、共有スペースが混雑しやすいのは想像に難くありません。住人同士の相性や生活スタイルが合わない人と同居する場合もあり得るので、妥協点を見つけたりと上手に付き合う必要が出てきます。気になる点などがある人は、家探しや入居の際に確認しておくことをオススメします。(趣味で音楽をやっている、バイトで帰りが遅い日が多い、喫煙者、等)

2:WGの秩序の線引きが異なる

共有している生活用品の買い物や支払いの折半をどうするか、掃除に関する決まり事など、WG内での秩序は様々。「誰もが住みやすいように」というのはWGの基本ですが、その決まり事の線引きが自分には合わなかった場合、それがストレスになる可能性も考えられます。

3:プライベート空間が限られる

共同生活なのだから当たり前、といったところでしょうか。各自の部屋があるとはいえ、それ以外は共有スペース。ドイツではバスルームにトイレが併設された造りは珍しくなく、誰かが長風呂をしているとトイレには行けない、なんてこともしばしば。また恋人がいる人は、家に招いた時に何かと気にしてしまうこともあるでしょう。

ドイツにおける「共同生活」の概念

日本にもルームシェアというライフスタイルはありますが、ドイツのWGほどには普及していないのが現状です。

ドイツでは、結婚していないカップルでも同棲するのはごく自然なこと。それは、「家賃を折半して安上がりになるならいいじゃない。」「先に一緒に暮らしてみることで、結婚してからもうまく生活していけるかどうかを見極められる。」など、実に現実的かつ合理的なドイツ人ならではの思想があってこそです。なので一般的に個を重んじる性質が強いと言われているドイツ人でも、WGのような共同生活に関してはほとんど隔たりがありません。

「まだよく知り合ってもいない人と、1つ屋根の下で暮らすなんて。」と、すぐにはなじめない人も少なくはないでしょう。しかしドイツ人に言わせてみると、「相当神経質な人や人付き合いが苦手な人は、そもそもWGを選ばない。」の一言で片付けられるようです。

どんな物事にもメリットとデメリットがあるのは必定ですが、ドイツでのWGは一度は経験してみる価値があるのではないでしょうか。「独身時代の社員寮生活は、今振り返ってみるとおもしろかったなあ。」と言えるような、素敵な思い出作りにもなるかもしれませんね。

この記事へのコメント 2

  • iudex のプロフィール写真 iudex より:

    ちなみに、男二人で女一人のWGはウマくいくけど、女二人に男一人のWGはウマくいかへんって誰かから聞いたことが。
    欧米の人って、恋人おっても異性の人と二人でWGとも全然ありで、この「異性と二人でWG」という感覚はアジア人にはなかなか理解しづらいポイントかなって思ったりします。

    0
  • kisetu-ju のプロフィール写真 kisetu-ju より:

    WGは魅力だと思います。特に学生などは、必要経費が少なくて済みます。そしてドイツ語も身につきます。なかなか共有場所で過ごすことが学生は多くないと思います。たくさん学んで、効率よく過ごすWGを活用に、私は賛成ですね。

    0

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