トルコ、インフレに官製値下げで対応

トルコ政府は9日、インフレ高進に官製値下げで対応する方針を発表した。政府の呼びかけに民間企業が「任意で協力を申し出た」と説明した。対象はインフレ率算出の基になる全品目で、年末までに最低10%値下げされる。また、銀行も8月以降に契約された高利融資について金利を10ポイント引き下げる。電気・ガス料金は年末まで値上げを見送る。この方針の発表後、通貨リラ相場に特別な動きはなく、アナリストらは国際市場のルールに沿った政策がとられなければ、急激な景気の失速(ハードランディング)が避けられなくなると懸念を強めている。

政府は高インフレを受けて4,000社弱の6万9,000品目の価格を調査し、114社に対して「値上げの理由が不透明」として警告処分にした。しかし、物価上昇の主因である通貨安は米国の金融正常化によるところが大きく、新興諸国共通の問題だ。加えて、中央銀行の独立性に関する疑念、政府による法治国家の原則軽視といったトルコ独自の問題もあり、真の解決に向けてはこれらの点の是正が避けられない。

また、ハードランディングを防ぐには、金融引き締め、歳出削減など国際市場のルールに則ったかじ取りが必要だ。さらに、長期的なインフレ施策としては食品輸入を減らす農業政策を進め、国民の懐(ふところ)を大きく左右する食品価格の安定を図るのも重要だろう。

インフレ率上昇を受けて中央銀行は先月、政策金利を6.25ポイント引き上げ、24%に設定したが、9月のインフレ率はこれを上回る24.5%へ高進した。このため、今月25日の次回会合ではさらなる利上げの実施が見込まれている。

アルバイラク財務相が先月発表した中期計画は、インフレ率を年末までに20.8%まで低下させることを目標にしている。来年は15.9%、2020年は9.8%、21年は6%の達成を目指す。昨年のインフレ率は11.1%だった。

国際通貨基金(IMF)は9日、来年のトルコ経済成長率予測を従来の4%から0.4%へと大幅に下方修正した。今年についても4.2%から3.5%へ引き下げた。

エルドアン大統領率いる公正発展党(AKP)は、インフレ率・失業率の低下、リラ相場の安定、対国内総生産(GDP)比国家債務の縮小で国民の支持を得てきた。これらの指標が悪化することは、支持基盤の脆弱化につながりかねない。来年3月の地方議会選挙まで、どれだけ国民の支持をつなぎとめられるかに注目が集まる。

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