トルコのエルドアン大統領、中銀総裁を更迭

トルコのエルドアン大統領は6日、政令を通じてチェティンカヤ中央銀行総裁を解
任した。利下げのタイミングをめぐる意見の相違が原因だ。後任にはウイサル副総
裁が就任する。中銀総裁解任は中銀の中立性に対する投資家の不信を拡大させ、週
明けの市場はリラ安・トルコ株安で取引をスタートした。
中銀筋によると、政策金利を現行の24%からいつ引き下げるかをめぐり、ここ数カ
月、大統領とチェティンカヤ氏の対立が深まっていた。現地日刊紙『ヒュリエッ
ト』によると、大統領は6日の与党・公正発展党(AKP)の国会議員会合で、チェ
ティンカヤ氏が度重なる利下げ要求を拒否し、辞任の求めにも応じなかったために
解任に至ったと説明した。
チェティンカヤ氏は2016年4月に中銀総裁に就任し、来年4月に任期を満了するはず
だった。任期途中で離職したトルコ中銀総裁はチェティンカヤ氏が初めて。
週明けの香港為替市場はリラが対ドル3%安で取引を開始。フランクフルト市場で
は対ユーロ1.5%安をつけた。イスタンブール証券取引所も1.5%の株安でスタート
した。
チェティンカヤ氏は利上げに慎重だったことから、「高金利がインフレを生む」を
持論とするエルドアン大統領の影響下にあると懸念されていた。しかし、昨年8月
のリラ急落を受けて9月に金利を17.5%から24%へ引き上げ、今日まで維持してき
た。これが市場の一定の信頼を得て、リラ相場の回復につながり、25%を超えてい
たインフレ率も先月は15.7%まで低下。経常赤字も改善していた。
ウイサル新総裁は就任にあたり、「従来通り、価格の安定を目指し、中立の立場で
金融政策を実施していく」と言明しているが、大統領の利下げ圧力にどれだけ対抗
できるのかは不透明だ。市場には、今後、大きな利下げが実施されるとの見方もあ
る。まずは今月末の金融政策会議の判断に注目が集まる。
トルコは大統領の権限を大幅に強化する新憲法により、中銀総裁人事に内閣の承認
が必要でなくなった。エルドアン大統領が昨年の大統領選挙前に、「再選の暁(あ
かつき)には金融政策への関与を強める」と語ったこともあり、中銀の中立性への
不信感が高まっていた。
トルコ経済は昨夏の金融危機の影響で、昨年第4四半期から2四半期連続で大きく縮
小した。高インフレと高金利が全般的に国内生産を押し下げたためだ。
インフレ率上昇で生活必需品の価格が高くなり、政府債務の返済コストも拡大し
た。これが経済危機の懸念を膨らませている。
3月末の地方選・自治体首長選挙ではアンカラ、イスタンブール市長選で与党・公
正発展党(AKP)の候補が敗退した。今年第1四半期のリラ相場の回復が緩慢だった
ことがその一因とみられている。

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