排ガスからの化学品生産がスタート

独鉄鋼大手ティッセンクルップは20日、製鉄所の排ガスから有用な化学品を生産する同社主導の技術開発プロジェクトで、メタノールの生産を開始したと発表した。鉄工所の排ガスを有用な化学物質へと転換するのは世界初で、世界各地からの関心が寄せられている。ギド・ケルクホッフ社長は「二酸化炭素(CO2)をほとんど排出しない鉄鋼生産という我々のビジョンが具体化した」と胸を張った。

製鉄で発生する排ガスの中には一酸化炭素(CO)・CO2の形で炭素が含まれる。窒素や水素も有用な含有成分だ。

製鉄所では現在、排ガスを燃やして電力と熱を獲得しているものの、最終的には有害物質が大気中に放出される。

ティッセンクルップはこうした状況を改める目的で研究機関やバイエル(化学)、BASF(同)、シーメンス(電機)といったメーカーと協働。排ガスをメタノールやアンモニアといった有用な物質に転換するプロジェクト「カーボン2ケム(Carbon2Chem)」を推進している。

化学物質への転換では水素と電力を利用する。電力はもっぱら再生可能エネルギー由来のものを用いてCO2排出を回避する。電力不足で電力価格が高騰した場合は、排ガスを製鉄所での発電用に振り向け、電力需給の安定に寄与するようにする。

今回稼働を開始したのはパイロット施設。量産化が実現すれば、鉄鋼業界で排出されるCO2を化学物質として再利用できるようになる。鉄鋼以外の業界に応用することも可能だ。

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