IBMが独テレコムからの事業買収断念、独禁当局の疑念受けて

ドイツ連邦カルテル庁は7日、米IT大手のIBMがドイツテレコムのITサービス子会社Tシステムズから大型コンピューター(メインフレーム)関連サービス事業を取得する計画を撤回したと発表した。IBMの市場支配的な地位が一段と強まるとの疑念を同庁が示したことから、同社は計画の承認を得られないと判断した。

IBMは1月、Tモバイルのメインフレーム関連サービス事業を大部分、譲り受けるとともに、同事業で両社が協業することを取り決めた。具体的には計6カ国のTモバイル社員およそ400人がIBMに移籍するとともに、ハード・ソフトウエアがIBMに移管。また、Tモバイルの既存顧客向けサービスをIBMが下請けで引き受けることになっていた。

これに対しカルテル庁は、スイスを除く欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国と欧州連合(EU)で構成される欧州経済領域(EEA)の当該市場でIBMがすでにダントツの最大手であることを問題視。Tモバイルとの同取引を認めると、IBMの市場支配的な地位が一段と強まるとして難色を示していた。

カルテル庁のアンドレアス・ムント長官は「メインフレームからクラウドなどにデータを移転する企業はますます増えているものの、メインフレーム運営のためのサービスはなおも十億ユーロケタ台の市場であり続けている」と指摘。そうした巨大市場で独占が強まることは容認できないとの立場を表明した。

Tシステムズはドイツ最大のITサービス事業者。近年はシステム統合、アウトソーシングなど従来型ITサービス事業の不振で業績が悪化していることから、事業の再編を進めている。今回の取引もその一環で締結したが、IBMの断念で振出しに戻る格好となった。

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